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ディスコ"Q&B"にて。#2

さて、話を1975年の新宿歌舞伎町にあったディスコ・・"Q&B"に戻そう。

ここで働き始めて、しばらくして、僕は彼女ができた。

以前にいたV-Oneでは、とにかく遊ぶことに夢中で、彼女らしい彼女もできなかったんだ。
たぶん、あの頃は、男友達と毎日を面白おかしく過ごすことの方が良かったんだな。

ものすごい勢いで成長していくディスコ業界・・
毎月、入荷される新鮮なブラックミュージック・・
何の手本もなかった当時のディスコDJ スタイルの模索・・
男女関係なく日々広がっていく新しい交友関係・・

毎日が刺激的で、それだけで満足だった。
女の子と、ちょっとした付き合いがあっても、それが長引くことはなかった。
あまりに多くのことに関心があって落ち着きが無さ過ぎたから、付き合いにもならなかったんだなぁ。

Q&Bに移っても、それは同じことで、特に「何の手本もなかった当時のディスコDJ スタイルの模索」と言えば大袈裟過ぎるけど、ジャパニーズ・ディスコにおけるMC・・日本語は洋楽とは相性が悪いというけど、どうしたらノリがでるのか?
この頃は、けっこうマジで、こんなことばっかり考えてた記憶がある。

当時、米軍駐留放送(FEN)を訳も分からず聞きまくっていた僕は、ダントレーシーとかのDJ達が、何回も自分の名前を連呼していることに気が付いた。当時の日本人の遠慮深さ、謙虚さ・・から言えば、あまりに積極的な売り込みのようにも感じたけど、ミーハーな僕は「おおっ!やっぱ、アメリカはこうなのねっ!」と雄叫びをあげ、自己紹介のフレーズを考えた。

「さぁっ!只今の時間は、カリフォルニアの熱い風、テリーがお届けしています!」

なんで、カリフォルニアなのかっっ?
なんで、熱い風なのかっっ?

わかりませんっ。つぅか、覚えてません・・(__;)

たぶん・・
第一に、七五調で、語呂が良かったから・・。
それと、当時のナウなヤングの間でWest Coastブームが深く静かに広がりはじめていて、僕にしたら「かりふぉるにあ」という言葉は、そのブームの最先端たる象徴だったのだろう。
カリフォルニアと聞いて思い浮かべる曲は、イーグルスの「ホテル カリフォルニア」ではなく、まだ、ママス&パパスの「夢のカリフォルニア」という時代だった。

米ドルのレートが、$1=360円だったのが、1971年に$1=308円となり、1973年からは現在のような変動レートになったとは言え、1975年当時は、まだ、$1=300円くらいだったと思う。
当然な話だけど、アメリカで 千ドルの金を使うのに、現在なら約10万円というところが、当時は30万円以上も用意しなくてはならなかったわけだ。
現に、1978年に僕がはじめてハワイに行ったときに「格安販売店」で入手した往復航空券(純粋に飛行機代だけ)が、20万近かった。

しかも、1975年と言えば、公務員の初任給は80,500円、某銀行の大卒初任給が85,000円という時代だった。
いかに、アメリカ西海岸、いや、ハワイでさえも、僕たち庶民のヤングには遠い場所だったか、わかってもらえるだろうか?

「カリフォルニアの熱い風」というフレーズには、当時、タワーオヴパワーやグラハムセントラルステーションを始め多くの先進的なミュージシャン達が活躍する異国の地への・・僕自身の「熱い」思い、憧憬が込められていたのかもしれない。

ァ・・

また、話がずれてるじゃん。m(_~_)m

Q&Bでも、どこでもそうだったと思うけど、DJへの店側からの指示などはレジ、または事務所と繋がるインターフォンで来た。
そして、当時は携帯電話もなく(あるわけないじゃんっ)、お客さんへの呼び出し電話が、店にかかってくることも少なくなかったんだ。

その時のQ&Bでは、今にして考えると驚きだけど、DJが呼び出しまでしていたんだよね。
もうちょっと後に始まるフリードリンク、フリーフード時代と違って、入場料払ってワンドリンク・・ウエィターが「お飲物は何になさいますか?」と聞いて運んでくる時代だったからね。サービスが違ったんだよね。もちろん、店によっては、そんなことはやってなかったろうし、Q&Bでも、相棒のボージーとか、他の黒人DJが入っているときは、呼び出しはできなかっできなかったけど、できる限り、対応していた・・って、感じかな。

・・で、僕がDJブースに入っていると、インターフォンが鳴る。

「はい?」
「ア、お客様のお呼び出し、お願いしま〜す。」
「はいはい?」
「●●様です。」
「わかりました〜」

てな感じで指令がくると、僕はMCを入れるわけ。

「お客様の●●様、●●様、お友達よりお電話来ております。至急、レジフロントまでおいで下さい!」

こんな感じ。

インターフォンが鳴る。

「はい?」
「■■様にお電話ですー」
「わかりましたー」
「あのー」
「え?」
「テリーさん、カリフォルニアに行ったことあるんですか?」
「は?」
「カリフォルニアの熱い風、って・・」
「・・・」
「あ、いいです。じゃぁ、お呼び出しおねがいします!」
「はい」

1975年。
レジで働いている千夏さんとのやりとりだった。

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